2026-07-15
コルクサーベイ

コンジョイント分析のやり方【5ステップ】|設計でつまずかないためのツール活用ガイド

「新商品の価格はいくらが最適か」「どの機能を優先して搭載すべきか」——。
商品企画やマーケティングの現場でこうした意思決定を迫られたとき、勘や社内の声だけで決めていませんか。

コンジョイント分析は、顧客が商品のどの要素をどれだけ重視しているかを数値で明らかにする調査手法です。価格設定・商品設計・機能の優先順位づけなど、「トレードオフのある意思決定」に強く、消費財からサブスクリプションサービスまで幅広く使われています。

この記事では、これからコンジョイント分析を実務でやろうとしている方に向けて次の3点を解説します。


・コンジョイント分析で何が分かるのか(最短で理解)
・実施の具体的な5ステップ
自力でやると最もつまずきやすい「調査設計」の壁と、その乗り越え方


とりあえず全体像を把握したい方へ

コンジョイント分析対応のセルフ型アンケートツール「コルクサーベイ」の詳細はこちらからご確認いただけます。


コンジョイント分析とは?何が分かるのか

コンジョイント分析とは、商品やサービスを「属性(要素)の組み合わせ」として提示し、回答者に選ばせることで、各要素の重要度を推定する調査手法です。

たとえばワイヤレスイヤホンなら、商品は次のような属性と水準の組み合わせで表現できます。


属性 水準の例
価格 8,000円 / 15,000円 / 25,000円
ノイズキャンセリング なし / あり
連続再生時間 6時間 / 10時間 / 24時間
重さ 4g / 6g / 8g


回答者には「プランA・B・Cのうちどれを買いたいか」という形で複数の商品プロファイルを提示し、選択してもらいます。この選択データを統計的に分析すると、次のことが分かります。

属性の重要度:購入判断において「価格」「ノイキャン」「再生時間」がそれぞれ何%効いているか

・水準ごとの効用値:「15,000円→25,000円」の値上げが魅力をどれだけ損なうか、「ノイキャンあり」がどれだけ魅力を高めるか

・価格感度:機能追加が値上げをどこまで正当化できるか

アンケートで直接「何を重視しますか」と聞くのと何が違うのか

「価格と機能、どちらを重視しますか?」と直接聞くと、多くの回答者は「どちらも重要」と答えます。本音では妥協している要素でも、単独で聞かれると「重要」と答えてしまうためです。

コンジョイント分析は、実際の購買場面と同じ「限られた選択肢から1つを選ぶ」状況を再現するため、回答者自身も意識していないトレードオフの構造(本音の優先順位)を捉えられます。これが、直接質問にはない最大の価値です。

よくある活用シーン

シーン 明らかにできること
価格設定
(食品・家電・日用品)
値上げ・値下げが選好に与える影響。機能とのバランスで最適価格帯を探る
商品設計
(家電・化粧品・食品)
搭載すべき機能・スペックの優先順位。「盛りすぎ」を防ぎコストを最適化
プラン設計 (サブスク・SaaS・保険) プランに含める機能の組み合わせと価格の最適化。B2B サービスの料金表設計にも

コンジョイント分析のやり方:5ステップ

実務でのコンジョイント分析は、次の5ステップで進めます。

ステップ1:属性と水準を設計する

まず「商品を構成する要素(属性)」と「各要素の取りうる値(水準)」を決めます。ここが分析全体の土台です。

・属性は購買判断に本当に影響するものに絞る(多すぎると回答者が処理しきれない。実務では3〜6属性が目安)

・水準は現実にありえる値にする(極端な水準を混ぜると回答が歪む)

・価格を属性に含める場合は、市場の実勢価格を挟む形で水準を設定する

ステップ2:実験計画を組む(提示する組み合わせを決める)

属性と水準が決まったら、回答者にどの組み合わせを・どう提示するかを設計します。

ここで最初の壁が現れます。上のイヤホンの例(3×2×3×3水準)でも、組み合わせは全部で 54通り。

全部を提示することはできないため、「少ない提示数でも全体の傾向を統計的に推定できる組み合わせ」を選び抜く必要があります。この代表的な方法が直交表(直交計画)です。

現在主流の選択型コンジョイント(CBC:Choice-BasedConjoint)では、1画面に2〜4個のプロファイルを並べて「どれを選びますか」と聞くタスクを、1人あたり8〜12回程度繰り返します。

ステップ3:アンケートを作成し、実査する

設計した組み合わせを、実際のアンケート画面に落とし込みます。回答者ごとに提示順をローテーションさせる、非現実的な組み合わせ(最高スペック×最安値など)を除外する、「どれも選ばない」を用意する——といった品質管理もこの段階の仕事です。

回収目標は分析手法にもよりますが、1セグメントあたり200サンプル以上が一般的な目安です。ターゲット条件での回収には調査パネルの利用も検討します。

ステップ4:集計し、効用値を推定する

回収した選択データから、統計モデル(多項ロジットモデルや階層ベイズ推定など)を使って属性の重要度と水準ごとの効用値を推定します。R や専用の統計ツールを使うのが一般的です。

ステップ5:シミュレーションして意思決定につなげる

効用値が出たら、「この機能を付けて2,000円値上げした場合、選好シェアはどう動くか」といったシミュレーションを行い、価格・仕様の意思決定に落とし込みます。ここまでやって初めて、コンジョイント分析は投資に見合う成果を生みます。

実際にやると、ここがしんどい——自力実施の5つの壁

5ステップと書くと簡単そうですが、実際に自力でやろうとすると、多くの担当者がステップ2〜3で挫折します。よくある壁を挙げます。

壁1:組み合わせが爆発する

3〜4属性でも組み合わせは数十〜数百通り。どれを提示すれば統計的に正しく推定できるのか、判断には実験計画法の知識が必要です。

壁2:直交表を Excel で手組みするのは、想像以上に難しい

「コンジョイント分析 エクセル」で検索して直交表のテンプレートを探した経験のある方も多いはずです。しかし実際には、

・属性数・水準数に合う直交表(L8、L9、L18…)を正しく選ぶ

・表の列に属性を割り付けるルールを理解する

・選択型(CBC)の場合、さらに「タスクへのプロファイル配置」まで設計する

——と専門知識の連続で、1か所ミスすると回収後に「推定できないデータ」になっていることに気づく、という取り返しのつかない事故が起こりがちです。

壁3:非現実的な組み合わせが混ざる

機械的に組み合わせを生成すると、「全機能入りで最安値」のような現実にありえないプロファイルが混入します。回答者は違和感を覚え、回答品質が下がります。これを除外しつつ設計のバランスを保つのは、手作業では非常に困難です。

壁4:一般的なアンケートツールでは、そもそも画面が作れない

CBC の回答画面は「回答者ごとに異なる組み合わせを、カード形式で並べて選ばせる」特殊な形式です。汎用のアンケートフォームには該当する設問タイプがなく、単一選択の設問を無理やり並べて作ると、ローテーションも組み合わせ制御もできません。ここで外注(数十万円〜)に切り替えるケースが多発します。

壁5:回収データを分析できる形にするのが大変

回収した生データは「誰が・どのタスクで・どのプロファイルを選んだか」の羅列です。これを統計ツールに読み込める形(デザイン行列)へ整形する作業が待っており、Excel での手作業は現実的ではありません。

コルクサーベイ なら、設計から実査までを画面上で完結できる

こうした壁のうち、最も専門性が要求される「調査設計」と「実査」を丸ごと自動化できるのが、セルフ型アンケートツール「コルクサーベイ」です。


コンジョイント分析(CBC)専用の設問タイプを標準搭載しており、調査票を作る感覚でコンジョイント調査を組めます。

属性と水準を入力するだけ。実験計画は自動生成

属性と水準を画面で入力すると、条件に合わせて直交表(L4〜L27 を自動選択)またはランダムバランス設計による組み合わせを自動生成します。
直交表の選定も割り付けも、Excel での手組みも不要です。

コンジョイント設問の属性・水準設定画面

今回の例(4属性・2〜3水準)では、システムが直交表 L9 を自動選択し、ボタン1つで選択タスクが生成されました。

直交表 L9 が自動選択され、選択タスクが自動生成された画面

非現実的な組み合わせは「禁止ペア」で除外。「どれも選ばない」も1クリック

「最高スペック×最安値」のようなありえない組み合わせは、禁止ペアとして指定すれば生成時に自動で除外されます。実際の購買場面を再現する「どれも選ばない」選択肢や、価格属性の指定も設定画面から行えます。

禁止ペア・選択肢オプションの設定画面

回答画面は自動レンダリング。回答者ごとの出し分けもおまかせ

設計が終われば、カード形式の選択画面が自動で生成されます。回答者ごとのタスク割り当てやプロファイルの並び順の制御もツール側で処理されるため、壁4の「画面が作れない問題」は発生しません。

実際の回答画面(CBC タスク)

実査もそのまま。クォータ管理・調査パネル連携に対応

作った調査はそのまま配信できます。性別×年代などの割付(クォータ)管理や、大手調査パネルとの連携にも対応しているため、「作ったはいいが回答者を集められない」という事態になりません。

回収データは、分析ツールにそのまま読み込める形でエクスポート

回収データは、選択結果を One-Hot エンコーディングした CSV としてエクスポートでき、R・Python・SPSS などの統計環境にそのまま読み込めます。壁5のデータ整形作業は不要です。

回収データのエクスポート

効用値の推定やシミュレーションを含む分析の進め方については、調査設計の段階から無料相談で支援しています。「設計〜実査はツールで内製し、分析は伴走してもらう」という進め方が、コストと確実性のバランスが最も良い選択肢です。

自社のテーマでどう設計すべきか、具体的に相談したい方へ
属性・水準の設計から分析の進め方まで、調査のプロが無料でアドバイスします。

外注 vs 自社実施:コンジョイント分析はどう進めるのが正解か

コンジョイント分析の進め方は、大きく3つに分かれます。

調査会社にフル外注 完全に自力(Excel 等) ツールで内製+必要に応じて相談
費用の目安 100万円〜 人件費のみ(ただし膨大) ツール利用料+パネル費
スピード 1〜2か月 設計の学習コストで長期化しがち 設計〜実査で数日〜
設計の品質 ◎ プロが担保 △ ミスのリスク大 ◯ ツールが設計を自動化
社内へのノウハウ蓄積 △ たまらない ◎ 2回目以降はさらに速い
向いているケース 全社の意思決定に関わる大型調査 (非推奨) 商品企画・価格検討の実務サイクルに組み込みたい場合

年に1回の大型調査ならフル外注も合理的ですが、商品企画のサイクルの中で「仮説→検証」を繰り返したいなら、設計が自動化されたツールでの内製が費用対効果で勝ります。逆に、直交表の手組みから始める完全自力は、時間コストとミスのリスクを考えるとおすすめできません。

よくある質問(FAQ)

Q. サンプルサイズはどれくらい必要ですか?
A. 選択型コンジョイント(CBC)の場合、分析したいセグメントごとに200 サンプル以上が一般的な目安です。全体だけでなく「20代女性ではどうか」のように層別で見たい場合は、その層ごとに確保します。

Q.属性や水準はいくつまで設定できますか?

A. 統計的には増やせますが、回答者の負荷を考えると 3〜6属性・各2〜4水準程度が実務的です。コルクサーベイでは属性2〜10・水準2〜10・1タスクあたり2〜5プロファイルの範囲で設計できます。

Q.Excel だけでコンジョイント分析はできますか?

A. 小規模な評定型(プロファイルに点数を付けてもらう方式)なら理論上は可能ですが、直交表の設計・回答画面の作成・データ整形をすべて手作業で行うことになり、ミスのリスクと工数を考えると現実的ではありません。特に現在主流の選択型(CBC)は、回答者ごとの出し分けが必要になるため Excel では実施できません。

Q.費用はどれくらいかかりますか?

A. 調査会社にフル外注する場合は 100万円〜が相場です。セルフ型ツールで内製する場合は、ツール利用料と回答者パネルの費用(回収数×単価)に抑えられます。詳しくは資料をご覧ください。

まとめ:設計の壁は、ツールで越えるのが最短ルート

・コンジョイント分析は、価格・機能の本音の優先順位を数値化できる強力な手法

・最大の難所は統計知識が必要な調査設計(実験計画)と、専用画面が必要な実査

・コルクサーベイなら、属性・水準を入力するだけで設計を自動生成し、回答画面・実査・分析用データ出力まで画面上で完結できる

「まずはどんなものか見てみたい」という方は、
実際の画面をご覧いただけるデモをご利用ください。